口腔機能発達障害について

お口と体の健康コラム

佐久間歯科医院の佐久間です。

この記事では、「口腔機能発達不全症」のひとつである、お口ポカンという症状をメインにお話しをしていきたいと思います。

口腔機能発達障害

お口ポカン

鼻づまりがないにも関わらず、お口がよく開いていたりしたが見えていたりするのが症状として挙げられます。

口腔機能発達障害とは、食べたり話したりする機能が正常に発育していない状態のことで、お口ポカン以外にも以下のような症状が挙げられます。

指しゃぶり

指しゃぶりは口腔機能発達障害の代表的な症状です。しかし、一概に指しゃぶりをしたから口腔機能発達障害と断定はできませんので、頻回に行うなど気になる方は一度ご相談頂ければと思います。

舌小帯異常

舌裏の小帯と言われるスジが短く、舌を出そうとしても舌先がスジに引っ張られ、上手く動かせないといった症状がみられます。このため、構音障害や誤嚥などにつながる可能性があります。処置としては切開手術となります。

ほかにも「爪噛み」や「唇を噛む」「偏咀嚼」などの症状があります。重要なのは症状が軽いうちに処置をすることだと考えております。
もし、気になる症状がある場合、ご相談頂ければと思います。

お口ポカンと全身の関わり

むし歯や歯肉炎

口呼吸によりお口の中が乾燥しやすいため、むし歯や歯肉炎になりやすくなります。また、口臭悪化の原因になったり、歯の表面の着色にも繋がります。

歯並び

歯は、唇、ほっぺた、及び舌などのお口周りの筋肉のバランスが取れる所に自然に並んでいきます。口呼吸だとそのバランスが崩れてしまうため、歯並びが悪化する原因の一つだと考えられています。

風邪やウィルス感染

口呼吸は鼻呼吸と比較して、風邪の原因となる細菌やウィルスなどが直接体内に侵入し易いとされています。また、口呼吸だと口腔内が乾燥しやすくなるため風邪になりやすいとされています。

集中力

口呼吸は鼻呼吸と比較して集中力の低下や落ち着きがないなどの報告があります。

食事

口呼吸で食事をすると、くちゃくちゃと音が鳴ることがあります。(通常鼻呼吸であれば口を閉じて食事をします)また、舌を上手に動かせないため、飲み込みに時間がかかり食事時間が長くなります。

姿勢

口呼吸に伴い、空気の通り道を広くするため猫背になりやすくなります。また、猫背になることでさらに口呼吸傾向となることから、負のサイクルが生じてしまいます。

睡眠

舌が落ち込むことでいびきの原因になることがあります。その結果、寝不足傾向となり、朝中々起きれなかったり、日中にも居眠りしてしまうことがあります。

お口ポカンを治すには?

ここまでで、お口ポカンなどの口腔機能発達障害に関する体全体への影響はなんとなくイメージしてもらえたかと思いますので、最後に、患者様やご家族の皆様がご自分で行えるものをご紹介します。

唇周辺を鍛えるトレーニング

風船を膨らましたり、風車を吹いたりする事で、お口を閉じるのに必要な筋肉を鍛えることが出来ます。ジェット風船は誤って飲み込んだりする可能性が低いため安心して取り組んでいただけます。

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